Extempo (エクステンポ) (エクステンポ・カリプソ)とも言う)はアドリブで歌詞をつけていくタイプのカリプソで、特にトリニダード・トバゴでパフォーマンスされている。観客とパフォーマーのはっきりとした区分けがない中から、その場でテーマが決まり、そのテーマに沿った内容をパフォーマーが即興で歌うかもしくはラップをし、もともと勝ち負けがあるバトルのような側面を持つ。アイデア、オリジナリティ、ウィットがそのパフォーマンスが良いか悪いかの判断基準となる。
エクステンポは下記のように定義されている伝統的なアフリカの歌と似た形式をもつ。「短いコーラスをバックにお経や話しているような歌。ソロパフォーマーはコーラスが同じフレーズを繰り返す間、メロディを奏でる。メロディが流れ始めると、コーラスとソロの間でアドリブの掛け合いが繰り返される。」
エクステンポは言ったり、時には称賛することから創られる傾向がある。もともと勝ち負けがあるバトルのような側面を持つエクステンポの特徴は毎年行われるトリニダードカーニバルにも反映され、「ナショナル・エクステンポ・モナーク」というコンテストが実施されている。エクステンポ・ウォーまたはウォーニングと言われるこのコンテストは参加者が自らのエクステンポ・パフォーマンスを効果的に見せつつ、お互いを攻撃するもの。しかし、そのコンテストの本質は相手を負かすものではなく、楽しむことである。エクステンポ・ウォーはカリプソ・ウォーとも言われる。