カリプソ (Calypso)(”カイソ”という呼び方も一般的)は1790年代に、カリブ海の島国トリニダード・トバゴで男性を中心に行われていた伝統的行事 “スティック・ファイティング” の伴奏として演奏されたものが起源とされています。カイソのルーツは西アフリカのグリオという語り部の伝統にあり、1600年代に始まった大西洋奴隷貿易によってトリニダード・トバゴにもたらされました。カリプソは今も昔も社会や政治を反映したジャンルで、民間伝承や時事問題のほか、”ボースティング”(自分の存在を誇示すること)や性的なダブルミーニングを含んだテーマが特徴です。カリプソはトリニダードの社会にとって、不満や不安を吐き出すことのできる非常に重要な公開討論の場となってきました。
20世紀を代表するカリプソニアン(カリプソ歌手):Roaring Lion (ローリング・ライオン)(1908.2.22 – 1999.7.11)、 Mighty Sparrow (マイティ・スパロウ)(1935.7.9 – )、Lord Kitchener(ロード・キッチナー) (1922.4.18 – 2000.2.11) 、Lord Invader (ロード・インベイダー)(1914.12.13 – 1961.10.15)。