「トリニダード・カーニバル・サバイバル入門」へようこそ! カーニバル初体験の方も、ベテランも、初心者もみんな必読のガイドです。
トリニダードのカーニバルには、いつ行ったらいいの?
時間に余裕のない場合は、ファンタスティック・フライデー(カーニバル・フライデー)の日に現地入りするのがおすすめ。クライマックスを迎えるカーニバル・マンデーとチューズデーの3日前です。
トリニダード・カーニバルでは、なにをすればいいの?
それはもう、ひたすらフィート、フィート、フィート! フィート(fete)とは、トリニで言うパーティーのこと。フィートは知り合い同士の小さな集まり(ライムlimeと呼ばれます)の場合もあるけれど、たいていはクラブやアリーナや個人の邸宅で開かれるレイヴのような大型パーティーを指します。
ビーチ・ライム。プレ・フィート・ライム。ポスト・フィート・ライム。ライム・オン・ザ・コーナー。ライム・アット・ホーム。アー・リトル・ライム。ライム・オン・デ・アベニュー(アリアピタ通り)。ここにちょっとした傾向があるのに気付きましたか?
シャーク&ベイク。ベイク&シャーク。ダブルズ。KFC(トリニダード・トバゴのKFCはマジで“ベスbess=最高”です)。ペラウ。BBQチキン&チップス。カラルー。コーンスープ。
パンチョン。ホワイト・オーク。アンゴスチュラ。フェルナンデス・ブラック・ラベル。ラム・パンチ。カリブ。スタッグ。
パノラマ(スティールパン)決勝戦
ディマンシェ・グラ――キング&クイーン・オブ・カーニバル。
ジュヴ(ダーティー・マス)。泥や水性絵の具やチョコレートソースまみれになる覚悟でいてください。汚れれば汚れるほどイケてます。
……クリスマス直後にトリニダード・トバゴ入りすれば、プレ・カーニバル・フィートやスティールパンの準決勝、インターナショナル・ソカ・モナークの準決勝などで、最新のソカやチャトニーやカリプソ音楽を生で聞くことができます。
なにを着たらいいの?
カワイイかっこうをしちゃってください。前の年の夏に買ったカラフルなショート丈のオーバーオールなんかが大活躍します。あるいはロング丈でホルターネックのマキシワンピなんかも。ストレッチ素材のミニワンピに、ゴージャスなストーンの付いたサンダルを合わせるのもグッド。男性はジーンズやチノパンにコットンのシャツを合わせて、クールでリラックスした感じにするのがおすすめ。
てっとりばやくカッコよくなるために:カーニバル・チューズデーにはプロのメイクアップ・アーティストの手でディーヴァに変身しちゃいましょう。男性もメイクアップ・アーティストに頼んで、エアブラシによるタトゥー風のボディペイントをほどこしてもらうことができます。
女性のみなさん、白スニーカーでロードマーチに繰り出すのはやめましょう。安くてもいいので、ちゃんとコスチュームにマッチするブーツを買ったほうがいいです(通常よりワンサイズ大きめで)。ローウエストの肌色のストッキングは写真に写ったとき肌を滑らかに見せてくれる効果があり、コスチュームに特別感を添えてくれます。足に合ったインソールと靴下を用意しましょう。たくさん歩いてたくさん踊るためにはサンダルはキツいので、ペディキュアは気にしなくてもいいです。もしビーチに行くなら、ちょっとしたペディキュアは砂ですぐ剥がれてしまいます。男性は白いスニーカーでまったく問題ありません!
(女性に関して)ストッキングは破れたときのために、カーニバル・マンデーとチューズデー用の2足用意しておくと助かります。色はライトブラウン、ミディアムブラウン、ダークブラウンなど。
マスをプレイ(=カーニバル・マンデーとチューズデーのバンドに参加)することを決めたら、マンデー用のコスチューム(通常はTシャツ)をゲットします。Tシャツにはショートパンツとブーツとストッキングを合わせます。男性はTシャツに短パンを。
カーニバル・チューズデーにはフォーマルなコスチュームでフル装備して、カメラを向けられたら笑顔を忘れず、審査会場のステージを通過するときはちゃんと自分のセクションにいるようにしましょう。
バンドに参加するともらえるお土産袋(=グッディバッグ)には、コンドームやクーポン、アクセサリー、日焼け止め、スキンケアクリームなどが入っています。カーニバル・マンデーとチューズデーには、ほとんどのバンドが食事やスナック、アルコール、水、ソフトドリンクなどを用意してくれます。
日焼け止め、ビーチタオル、水着、ジップロックに入れた貴重品をかわいいポーチに入れて持っていきましょう。フィートやカーニバルに出かけるときは大きなものは持っていかないほうがいいです。
トリニダード・カーニバルは乾期に開催されますが、異国から来たあなたのおいしい血が蚊を引き寄せてしまうかもしれないので、シトロネラベースの虫よけやかゆみ止めを持参しましょう。
トリニダード・トバゴはものすごく治安が悪いって聞いたんですけど!
いくつかの国の旅行情報や報道では、トリニダード・トバゴは危険な犯罪多発国とされています。ですが幸運にも、カーニバル期間中は普段より治安がよくなります。
ほとんどのフィートやバンドには有能なセキュリティが大勢ついています。過度に気に病む必要はありませんが、周りの様子には常に注意しておきましょう。フィートやバンドの主催者の目的は、あなたが払うお金にしっかり見合うものを提供することです――それはバカナリスト(bacchanalist=思いっきり騒いで楽しみたい人)にとっては最高にストレスフリーな時間です――だから迷惑な人間はまず近寄れません。
トリンバゴ人(=トリニダード・トバゴ人)は本当に英語をしゃべってるの?
はい。英語はトリニダード・トバゴの公用語です。ですがトリニダード英語は一種の方言で、独特の言い回しや、美しくうねる波のような訛りがあります。
ワイニング(wining*)、バウンシング(bouncing)、ジュッキング(juking)、ペルティング・ア・ウェイスト(pelting a waist)、ローリング・ア・バンパー(rolling a bumper)、ベンディング・ダウン・ロー(bending down low)などは、どれもトリニ(トリニダード人)が調子に乗って(get on bad)、楽しくダンスする(have ah time)ときのセクシーな動きを指す言葉です。過度に信仰心の篤い人でないかぎり、卑猥だとかは思いません。フィートやカーニバルに行くと、男の子たちが「teef ah wine(あなたのwineを盗む)」してきます。あなたの背後にやってきて、「wine up on ah bamcee*(あなたのおしりにwine)」してきます。もしあなたさえ嫌でなければ、男の子にwineさせてあげてまったく問題ありません。でもそんな気分でないときは、すぐに動きを止めましょう。向こうも察してくれます。もしやめてくれなければ、さっさとその場を離れましょう。それで「ノー・プロブレム(no scene)」です。
*wine=腰を回すこと
*bamcee (bum)=おしり
あなたとカラダで仲良くなりたい男性にたくさん出会うことが予想されます。(もし誘われたら)丁寧に、「マラヴァルのいとこのところに泊まっているの」とでも言ってやりましょう。あなたの泊まっているホテルまでついてきてもらいたいなら、それもまたあなたの自由です。男性のみなさんへ:あなたにwineしてくる女の子もいるでしょう。それがごく自然で、楽しいことだからです。ただし不適切なタッチはご法度。あくまでもダンスで、ストリップクラブではないからです。
トリニの男性は口がうまい上に、なかなか引き下がらないかもしれません。とにかく安全第一で! 成人女性として、自分の判断に従ってください。万が一危険に巻き込まれたら、ポート・オブ・スペインの日本大使館または近隣のトリニダード警察に相談を。
トリンバゴ人は、かなり率直に物を言う人々です。彼らがどう感じたか、すばすば言ってくるかもしれませんが、たいていはおもしろおかしく、のんきな感じです。相手が本気で怒っている場合でないかぎり、罵り言葉(Fワード)を聞くことは少ないと思われます。それに代わる多彩な言葉があるからです。
カーニバルで具体的にはなにをするの?
足が痛くなるまで踊って、踊って、ラムを飲んで(もちろん水、エナジードリンク、ジュース、ソレル*、マウビー*でも!)、食べて(マカロニパイ、カラルー、ダブルズ、ロティ、BBQチキン、ペラウなど)、新しい人たちに出会って、古い友人と仲を深めて、写真をいっぱい撮って、日焼けして、笑顔になって、笑い声をあげて、アッシュ・ウェンズデーまで眠らずに楽しみましょう!
*ソレル=赤い花を使ったジュース
*マウビー=樹皮を使ったジュース
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